![]() ちょっと長い思い出話が続きましたので、気分を変えて、最近の話題を短めのページでいくつかご紹介しようと思います。 父ちゃんから「ボクの活躍するエピソードはないの?」と、涙の訴えがありましたが……書けるかどうかはわっかりませ〜ん ![]() 1. “リニューアル”の落とし穴 「あ〜あ、なんか寂しいなー」 茶の間に降りてきたブタ丸父ちゃんこと漫画家のとんこつトン太先生、せんべい座布団に座り込むと、いつにもまして元気なくため息をつきました。
「どうした父ちゃん、また母ちゃんに怒られたのか?」パソコンで遊んでいたブタ丸が、同情たっぷりに声をかけます。 「母ちゃん恐すぎだからな〜、父ちゃんの気持ちはよく分かるよ、ウンウン」 「そーじゃなくてさあ」 「え? じゃあまた母ちゃんに用事いいつけられたのか? 忙しいのに大変だね」 「違うよ」 「えっ?! じゃ、じゃあまさか……ついに晩飯のおかずにされるのかっ?!」 「――え、縁起でもないこと言うんじゃないよブタ丸!」 思いっきりイヤな想像をしてしまったのか、青ざめた父ちゃんの額から滝の様に汗が滴り落ちました。 父ちゃん自分で入れたお茶をひとすすりすると、やっと落ち着いた様子でまた話しはじめます。 「実はさ、父ちゃんがデビューした本がなくなっちゃうんだよ」 「え?! 月刊ジャンぶぅが!! マジ? オレが好きな漫画連載してるのにィ!! 続き読めなくなっちゃうの?」 「いいや、聞いた話だと休刊はするけど“前向き休刊”……リニューアルするだけだって事だからね、アニメになったような人気作品は新しい本で読めると思うよ」 「そーなの? あ〜良かった」 「よかないよ、大変なんだよ、本がリニューアルすると。今ごろ漫画家さんたちは戦々恐々としてるだろうな〜」 父ちゃんうっすらと涙を浮かべます。 「なんでだよ、父ちゃん。雑誌名は変わっても本はちゃんと出るんだろ?」 「前とおんなじ作品ばっかり載ってても、リニューアルにならないだろ。ごっそり連載作品が打ち切られるんだ。今載ってる作品、最終的には半分も残らないよ、たぶん」 「ひえ〜〜〜、半分も終わっちゃうのか! で、父ちゃん」 「なんだい、ブタ丸」 「連載切られる時って、どんな風なの?」 「知りたいのか?」 「ウ、ウン…」 「そうか……。お前も将来漫画描きたいなんて思ってるみたいだから、少し現実の厳しさを知っておいた方がいいかもしれないな。よし、教えてやろう」 父ちゃんはまたお茶をひとすすり。 ブタ丸はドキドキしながら、話に聞き入ります。 「それはまず、世間話風に始まるんだ。 ――そして、話のついでみたいに 『あ、今度ちょと本の名前かわりますから〜』 って軽い調子で編集さんが言うからさ、こっちはのん気に、 『あ、そうなんですか?』 なんて答えて、油断してるわけだよ。するとな……… 『そーゆーことですので、あと2回で最終回にして下さいね〜♪』 なーんて事をいきなりにっこり笑って言われるわけよ」 ――父ちゃん遠い目になって、窓の外を見つめます。 「こっちはもうそりゃ寝耳に水でびっくりして 『あんな打ち合わせや、こんな打ち合わせして今後の展開決めたばかりじゃないのーーーっ! それはどーなるの〜〜?!』 ――って言っても、 『本が変わって、編集方針も変わっちゃうもので……すみません』 とか言われちゃうのよ。問答無用だね。」 目を丸くして聞いていたブタ丸ですが、急に心配になって父ちゃんに聞き返します。 「でも、人気あれば大丈夫なんだよね?」 「そうとも言えないんだ。古い作品一掃するのがリニューアルの目的だからね。かなりの人気取ってても、新しい本のイメージに合わなけりゃばさっと切られる」 「………ムゴイね」 「………ムゴイさ」 父ちゃんはフッと薄く笑い、お茶をひとすすりしました。 2. ファンの希望はきかないの? 「なあ父ちゃん、リニューアルするときってさ、読者の希望ってちゃんと考えてくれてるのかな?」 何か思い出したのかブタ丸は急にしかめっ面になります。
「この前オレがずっと読んでた雑誌もリニューアルしたんだけどさ、その時オレの大好きだった漫画が終わっちゃったんだ。すごく人気もあったのにさ」「ああ、あの雑誌ね。それがどうかしたのか?」 「ずーと読んでてアニメにもなって、子供のファンがたくさんいたんだぞ! それなのになんで終わっちゃうんだ?! ちょっとひどくないか?」 「読者の年齢層を上げるためのリニューアルだったからな」 「なんだよそれ、じゃあオレ達はもう読まなくてもいいよって事か?」 「まあ、お前達は雑誌のターゲット層じゃなくなったって事だよ。少子化で小さい子供向きの本がぜんぜん儲からなくなっちゃったからなー」 「ふーん……でもなーんか納得いかないな〜。オレたちがマンガ読まなくなっちゃったら、けっきょく次の読者がいなくなっちゃうのにさ」 「――まあ、そうなんだけどね」 ブタ丸の手厳しさに、思わず苦笑するブタ丸父ちゃんです。 「リニューアルとかする前にさー、ちゃんとファンの希望をしらべたりしないの?」 「もちろん調べるよ。昔ながらの読者アンケートに加えて、リサーチ会社に委託してすごく細かく読者のニーズを調べ上げて、それを参考に編集会議を重ね、編集方針を決めてるんだよ」 「すっげー! それですごく売れる本になったの!?」 「――そ、それは……アハハハハ(;^_^A アセアセ」 「ふん、リサーチなんかに頼るからさ! ブヒ!」 「あ、母ちゃんお帰り!」 「おおおおおお、お帰り……」 いきなり背後から母ちゃんに声をかけられたので、父ちゃんの心臓はバクバクです。 3. 理想の“ 担当さん ”とは 「母ちゃんおかえり! オヤツ何?」 「何だよこの子は、帰るなり! 母ちゃんまたすぐPTAの仕事で出かけるからね。父ちゃんの仕事場のオヤツ分けてもらいな!」 「え? オレのオヤツ? もう、ちょっとしか残ってないのに……」 「じゃあ行ってくるからね! 父ちゃんオヤツと洗い物……頼むからね。分かってるね!」 文句を言う隙も与えず、母ちゃんはまたドタドタと飛び出していってしまいました。父ちゃん渋々2階から柿の種とジュースをを持ってきます。 「サンキュー父ちゃん♪」 (あーあ、またオヤツ買いに行かなくちゃ……おこづかいも残り少ないのにな……) 切なげなため息をつく父ちゃんに、ブタ丸がまた話しかけます。 「ねー父ちゃん、リサーチって信用できないの?」 「リサーチに出てくる統計は、表やグラフになってもっともらしいけど、その実分かり切った内容が多いからね。それにそもそも……」 「そもそも?」 「今現在の大衆の娯楽嗜好は分かっても……え〜と、やさしく言うとだな……何がいまはやってるかは分かるけど、そのはやってるネタを誰がどう描くかでウケるかどうか決まっちゃうからね。リサーチに出てこない突飛な話でも、描く人が描けば大ヒットするし……。要するにウケるウケないは結局作家の力量次第なのさ」 「そーか、父ちゃん責任重大なんだな!」 「そうなんだよ……あんまり分かってもらえないけどね」 ![]() 「そうなのかー!」 「父ちゃんの師匠の漫画家さんもな、デビューしたての頃は、厳しい担当さんがついたそうなんだ。そしてその担当さんを、どうにかしてお腹がよじれるほど笑わせてやろうと、そればかり考えてがんばった。そのやり取りを続けているうち、往年の名作が誕生したんだ。……まさに作家と担当の理想の姿だな」 「なんかカッコイイなー!」 「だからな、なまじ立派なリサーチがドーンとあってもそれに頼ってたら逆に迷走する。何でもモノは使いよう、なのさ」 「ふーん」 「どうも日本人は表やグラフに弱いらしくてな、きちっとカテゴリーに分けられて表にされちゃうと、何でもすぐ信じてしまう傾向がある」 「社会の教科書にもよく表がでてくるなー」 「教科書に限らず、説明・解説用の文章やレポートにはやたら使われてるよ。でもこれが結構いいかげんなんだ……」 「え? そうなの」 4. 出版不況!! 「ブタ丸が将来いろんなモノにだまされないように、これだけは教えておくがな、統計やグラフは鵜呑みにするな! データーの取り方を操作するだけで、いくらでも都合のいい統計やグラフが作れるんだからな。よ〜くその辺を見抜かないと、いい加減なデーターが山ほど出回っているからな! すぐだまされるぞ!!」 「わ、分かったよ……。それにしてもとーちゃん、過去に何かあったのか? ずいぶんムキになってるけど……」 「……統計ではイベリコブタはいつまでもスレンダーでボン!キュッ!ボン♪ で…って信じたオレが・・・いやいやいやいやいやいやいやなんでもないよ〜〜母ちゃんには言うなよ〜〜〜」 「イベリコって・・・母ちゃんのこと・・・」 →(詳しくはフラッシュで見てね♪) 「違うから! 母ちゃんの事なんかとーちゃん、なーんにも言ってないからっっっ!!!」
恐怖でちょびっとちびったブタ丸父ちゃん、必死にごまかそうと話題を変えます。 「そ、そう言えばブタ丸……お前、漫画家になりたいんだって?」 「うん、漫画好きだからな」 「そうか……でもな、大変だぞ」 「アイディア考える時は、いっつも父ちゃんじごくの苦しみだもんな」 「それはな、まだいいんだよ。好きな道だからな。でもなー、1番大変なのは、仕事取ってくることなんだ」 「仕事ないと母ちゃんにぶっ飛ばされるもんな!」 「ウン……って、だからそーじゃなくて! 漫画の仕事が減ってきてるんだよ、だんだん」 「え?! そーなの? なんで?!」 「出版不況ってやつさ。ジワジワ漫画雑誌が減ってきてるの、気付いてるか? ブタ丸」 「そーいえばなくなっちゃった雑誌、あるなー。買ってなかったけど」 「“リニューアル” なんかも一連の流れの1つだな。今まで通りの雑誌のままじゃ儲からなくなってきてるんだ」 「おもしろい漫画がのっててもリニューアルしちゃうのは、そのせいなのか?」 「ウン」 「人気あってもダメなの?」 「ああ……。作品は今まで通り面白くても、単行本が売れなくなってきてるんだ――」 少し不思議そうにブタ丸が聞き返します。 「単行本、売れてないの? オレ、けっこうもってるけどな」 「でもブタ丸、お前も新刊ではあんまり買ってないだろ?」 「ウン、だって母ちゃんが少しでも安く買いな!!ってうるさいんだもん。オレは発売されたらすぐ読みたいのにさー」 「……まさにそれさ、原因は」 「え〜?!」 ![]() 大変そうなのニャ・・・でも ネコには関係ないのニャ〜♪ 「漫画関係の書籍全体が、娯楽の多様化や本離れのせいで減ってきてはいるが……1番の単行本売り上げ減少の原因は、古本の利用者が増えたことなんだ」 「そ、そうなのか……オレ漫画家のムスコなのに、知らないうちに漫画家さんのもうけをへらしてたのか……ってことは……とーちゃんの稼ぎも減らしちゃってたのか!!!」 「そーなんだよ……まったく、自分で首しめてるようなモンなんだよ。ウチでもこのありさまなんだから、ふつーの読者は当然安く買える方に飛びつくさ」 ――思わずまたハラハラと滝のような涙を流す父ちゃんです。 「な、泣くなよ父ちゃん……」 「だってな……父ちゃん一生懸命働いてるのに……エグエグ……稼ぎが悪いって母ちゃんが……」 「そ、そんなに単行本売れなくなってるの?」 「……ウン。古書店を利用しなければ3割は単行本の売り上げが増えるって試算が出ているらしいが――そんな試算はまったくぬるいっっ!!」 「……3割ってゆーと……え〜と」 「………算数もっとガンバレよ、ブタ丸」 ため息をつきつつ、父ちゃんは話を続けます。 「出版社も売り上げが落ちると、在庫や返品を抱えたくないので、初版の発行部数を抑えるようになっちゃったんだ」 「どれくらい減ったの?」 「多かった時に比べると3分の1か、それ以下になってる」 「ゲ!!」 「増刷も細かく刻んで少しずつしか刷らないし……」 「あ! そうか! だから最近ウカウカしてるとすぐ売り切れになっちやうんだ! 発売されたはずなのに、1冊しか入らなかったの、ゴメンねって本屋さんにいわれた事何回もあるぞ!」 「その通り。そして、この初版刷り控えがもっと恐ろしい事態を引き起こしているんだ。まさに出版不況の負の連鎖だな」 「どーゆーこと?」 ブタ丸はごくりとつばを飲み込みます。 「その1・購読者が減る 今まさにブタ丸が言った事だよ。せっかく本を買う気になってくれていた読者も、書店に本が無いと“まあいいや”――と、買うのを止めてしまう。注文してまで買ってくれるのは、ごくごく一部の読者だけなんだ」 「それじゃますます単行本が売れなくなるジャン!」 「その通りさ」 「そしてその2・新規購読者が生まれなくなる 書店に並んでいる単行本を見て買いたくなる事ってあるだろ? 本がすぐ売り切れちゃうから、そんな新規購読者が生まれるきっかけがなくなっちゃうんだ」 「それじゃさらにどんどん単行本が売れなくなるジャン!」 「そうなんだ。そしてその次が怖い……その3・単行本が売れる作家しか使ってもらえなくなる バラエティーに富んだ作品群が減っていき、業界全体の勢いがなくなってしまうし、新人のデビューがより難しくなって次世代が育たなくなる」 「え?! オレの漫画家になる夢も厳しくなるの〜〜?!」 「うん。新人のデビューの機会は確実に減りつつあるな。まず、前にも話した通り雑誌自体が減ってるからね。今までどの雑誌も売り上げがいまいちな “増刊” や “別冊” を出して、そこを新人のデビュー場所にしていたが、そういった役割の雑誌が今どんどん統廃合されている」 「出版不況……か」 「書店も減ってるからね。売り上げ減に加え万引きの横行のせいでね! ブタ丸、万引きは絶対ダメだぞ!!」 「分かってるよ! そんなことしねーって!」 「本屋が減っているせいで、書店売りからコンビに売りに雑誌の売り方が変化しているんだが……」 「オレもジャンぶぅはコンビニで買ってるな」 「コンビニの雑誌コーナーは小さいだろ。だから置ける雑誌の数が限られてくるんだ。コンビニに置いてもらえるか、もらえないかで売り上げに天と地ほどの差がついてしまう」 「そうか……」 「だから出版社も、コンビニ置きできる本数種類だけを残して、残りは整理する方向で改変を進めている。だから雑誌が減ってきているんだよ。もうちょっと売れるだけの本は無くなっていくだろうな。そんな少数精鋭の雑誌で連載できるのは……」 「……すごく人気のある作家さん、か」 「今、無料の雑誌まで出てきてるだろ」 「え?! そうなの! オレ知らないぞ!」 「まだ、実験的だからね」 「でも、それじゃもうからないジャン?!」 「いいや。雑誌自体の出版経費は、広告料だけで十分まかなえるんだ。つまりうまくやれば、ただで配っても赤字にはならない」 「へー……」 「だからタダでもいいからとにかく沢山の読者に読んでもらって単行本を買ってもらえれば儲けが出る。ただしこんな本に描かせてもらえるのも……」 「……単行本の売れる、すごく人気のある作家さん、か」 「そういう事。古本屋に出るまで待たず、すぐに単行本を買ってもらえる、人気作家の作品だけだ」 「新人作家はどうなるんだよ〜〜?!」 「先行き、まったく不透明だと言わざるを得ないな……ってゆーか、父ちゃんのこれからもまったく先行き不透明なんだよぉぉぉぉぉ〜」 「と、父ちゃん………」 「ハッ……いやいやいや、だいじょーぶだからね! まだまだ父ちゃん夕飯のおかずにはならないから!! 仕事してるから!! そ、そうだ、洗い物しなきゃ………」 冷や汗をふきふきブタ丸父ちゃんは、母ちゃんにいいつけられた洗い物をしに台所へ向かいました。 ブタ丸もトコトコ後についていきます。 「そうだよね! 父ちゃんちゃんと毎日原稿描いてるもんね」 「うん」 「たくさん描いてるよね」 「うん! 今回だって99ページも描いたし!」 「なのになんで、うちはいつもちくわチーズなのかなぁ?」 「…………それは ふっ、と小さくため息をついてから、父ちゃんは重い口を開きました。 「父ちゃんとしても言いにくい事なんだが……」 「やっぱり母ちゃんの手抜きか?!」 「そうだなやっぱ……って、いやいやいやいやいや、ブタ丸! 危ない発言は止めなさいっ!!!」 うっかり相づちをうちかけて、手にした食器を落としそうになりながら慌てて辺りを見回す父ちゃん。まだ母ちゃんが帰ってきていないのを確認すると、やっとまた話しはじめました。 「ページ数があってもね……原稿料が低い仕事だからなんだよ。大手の出版社ではまだそんな事はないんだけど、原稿料もここのところ全体的に下落している」 「原稿料までぇ?!」 「ああ。フリーの出版プロダクションの人も驚くほどの低い原稿料設定で依頼してくる仕事が増えてきている。こんな価格で依頼を受けちゃいけないと、仕事を断る事もあるそうだ」 「安くても仕事があればいいんじゃないの?」 「いいや、その価格じゃ作家が生活出来ないような設定の原稿料で仕事を受けちゃったら、それはもう職業として成り立たなくなるからね」 「そうか……」 「もともと漫画の原稿料はあんまり高くないんだ。新人の作家がアシスタントを使って原稿を描いちゃうと、もう食べるのがやっとぐらいのお金しか残らない。デビューしたての頃は働けば働くほど貧乏になっちゃうぐらいの原稿料で単行本が出るまで頑張ろう!を合言葉に頑張ったもんさ……」 父ちゃん、食器を洗う手を止め、遠くを見つめます。 「ある程度売れてきたって、クオリティを上げようといっぱいアシスタントを使えば元の木阿弥。師匠の仕事場も、原稿料はほとんど経費で消えちゃうって言ってたよ。一流作家でもそうなんだから、ちょっと原稿料設定は昔から安過ぎだったんだ。そこからまた下がってるんだから……」 「ちくわチーズやむなし……か」 「ウン。てゆーか、このままじゃ漫画家っていう職業が成り立たなくなっちゃうな……。救いの神だった単行本もあまり出ないし」 「なんてこった……」 「父ちゃんなんて恵まれてる方だよ。部数は少なくても、単行本出してもらってるから。場合によっては本さえ出してもらえないってケースも増えてるんだから」 「ねぇ父ちゃん、日本は漫画大国じゃなかったの?いいのか? このままでさ!?」 「うん。政治家の先生も日本の漫画は世界に通用するニューメディアだとかなんとか今さらながら言い出しているが……(麻生太郎外務大臣世界のAKIBAで文化外交を叫ぶ参照♪ JINさんネタ提供thank youです!)今や日本の漫画文化は風前の灯火だな。描いても描いてもお金にならない……じゃ正直モチベーションが保てないよ」 「父ちゃん……ウルウル……がんばってくれよ!!」 「頑張ってるよ。大好きな仕事だからね」 にっこり笑う父ちゃん。 でも、その笑顔は少し寂しげでした。 利益を追求するのが資本主義社会。 しかし利益を追求するあまり、貨幣経済の基本であるフェアトレードの原則が資本を持つ側によってないがしろにされ過ぎています。経済を支えているはずの働き手が、働いても働いても生活が楽にならないのは、漫画界だけではありませんよね。 貨幣経済の基本は等価交換。この原則をふみにじり、どこかでだれかが泣いているのは、工業でも農業でもみな同じです。社会や文化を支えているのは、その働き手達なのですが……。 ――ってゆーかぁ、カッコイイ事書きましたがそれは置いといて(笑)、ぶっちゃけ編集さんのお給料の額を聞くたびになんかそれ間違ってないかぁ?!……と、ついついいつも疑問を感じちゃうブタ丸母ちゃんなのです、ハイ凸(-","- )。
最新更新分このエッセイの全部のページの下に貼ってある (注・出版企画ではありません) 5. 新人作家の未来は? 「なんか、オレの将来真っ暗な気がしてきたなぁ」 ブタ丸はすっかり落ち込み、沈んだ声でつぶやきました。 「漫画家になってもごはんが食べられないんじゃ困るよな〜」 「あはははは、ちょっと脅かし過ぎたかな?」 食器を洗い終えた父ちゃん、タオルで手を拭きながら少し照れ臭そうに笑います。 「大丈夫さ。今でも、面白い漫画はたくさんあるだろ?」 「ウン……」 「漫画の大好きな読者や作家さんがたくさん居るかぎり、漫画はまだまだ大衆娯楽の花形であり続けるよ!」 「ウン!」 「雑誌の先行きは不透明ではあるが……これから漫画の発信方法が変わっていく事で、また狭まりつつある活躍の場が増えていくかも知れないしね」 「はっしん方法?」 「パソコンや携帯で読むウェブのマンガの事さ」 「ふーん…でもオレまだウェブのマンガは読んだ事ないなー」 「ハハハ…今はまだエッチ系が多いから、まだお前達にはサイトは教えてやってないからね。でも色々始まりつつあるんだよ。父ちゃんももう、いくつかのサイトに登録してるんだ」 「父ちゃんもエッチなの描いてるの?」 「ま、まぢめな漫画もちゃんと発表してるよ〜〜!!」 →銀杏社 漫画街「ニャニャンとコタロー」
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「ふーーーん…『も』ってなーにーかなぁ」indexの1番下にありますよー♪読んでみてね! 「ゴホゴホゴホ……ブタ丸! 親をからかうんじゃないの!」 「は〜い♪」 「これからは、在庫を抱えたり返品される恐れがなくて、経費もあまりかからないウェブマンガにどんどんシフトしていくだろうね」 「データーなら、母ちゃんが家事をサボっても恐怖のブックタワーができる心配もないよね!」 「ウン! 父ちゃんあれに何度かつぶされてるからな〜。それに単行本も増え過ぎてもう置き場所ないし……助かるよ」 「ただし、ちゃんと商売になるのかどうか、はたして雑誌のように大人から子供まで利用できるようになるのか……まだまだ手探り状態だからね。それにたぶんウェブ作品はカラーの作品やフラッシュ作品が主流になっていくだろうから、これからの作家さんは色々勉強する事が多くて大変だぞ。常にアンテナも張り巡らせておかないとな。お前も漫画家目指すならちゃんと勉強するんだよ」 「オレ学校のべんきょーはきらいだけど、好きな事ならどんどんべんきょーするぜ!」 「うん、頑張れよ! 父ちゃんも日々勉強さ! だからブタ丸母ちゃんフラッシュとか作って腕慣らしをしてるんだ」 ![]() 「ありがとうブタ丸! ウェブ漫画の仕事も少しづつ入ってきてるし……父ちゃん頑張るから!」 父ちゃんは、目をうるませながらうなずきました。 「そろそろ母ちゃんも帰ってくるし……父ちゃん仕事に戻るからね。ちゃんと宿題やれよ」 「うげっ!!」 「ブタ丸、一般教養は身に付けてないと作家になんかなれないぞ! まじめにやれよ! こつこつまじめに積み重ねる事が一番大切なんだぞ」 「は〜〜い」 父ちゃんはいつものように、トテトテ二階の仕事場に戻っていきました。 ――こつこつまじめに積み重ねるために……。 がんばれ! ブタ丸父ちゃん! 負けるな! ブタ丸父ちゃん! ≪今回の教訓≫ アンテナを巡らしつつコツコツ頑張る! ―― つづく ―― |