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「ブタ丸トントン・ジュニア版」2ページ 額(ひたい)に「死」の一字を刻(きざ)んだおどろおどろしいキューピーが、 深紅(しんく)の邪眼(じゃがん)を光らせ闇の中に立っていた。 ブタ丸は一瞬心臓が飛び出しそうになったが、 持ち前のクソ図太(ずぶと)い神経ですぐ立ち直り、 でかい態度で左手を上げ、かたちばかりのあいさつをした。
![]() 「よう、じゃまするぜ」 「……ゴリラの次はブタか、今日は珍しく客が多い日だな……」 仮にも力だけは類人猿最強(るいじんえんさいきょう)を誇(ほこ)る マウンテンゴリラを相手にバトルした直後にもかかわらず、 ホラーキューピーは呼吸一つ乱(みだ)していない。 まるで何事もなかったかのようにたたずんでいた。 ただ筋肉質の胸に斜めにはしる深い傷の跡だけが、 彼の壮絶(そうぜつ)な半生(はんせい)を無言(むごん)で語っている。 ブタ丸は思った。 奴なら、いける! 「おいホラーキューピー、話があるんだが」 「なに?」 「今度のサバイバル大会で優勝すると 5000000000000000000000000円がもらえるらしいぞ」 「な…なぬーーーーー!?」 「でる?」 「でるでるでるでるっ!」 ……外見の割に俗っぽいキャラだぞ、ホラーキューピー。 お金にでも、こまっているのだろうか? 「でるためにはオレのチームに入らなきゃいけないんだが、入る?」 「O・K」 ホラーキューピーが仲間になった! 「よし、今度は象の馬場(ババ)ールの家に行くぞ。 体のデカさとパワーじゃオレの知るかぎりじゃアイツが一番だ」 しばらくして、二人は馬場(ババ)ールの家に着いた。 真っ赤な屋根のメルヘンチックな家だが、 象の一家の住む家なのでやたらデカイ。 デザインはメルヘンでも可愛げもへったくれもない …てゆーか、そもそも全体が視界に収(おさ)められないので、デザイン意味なし、だ。 「おーい、馬場(ババ)ール! ……ん? いねーのかな〜〜」 誰もいない居間では、つけっぱなしの大画面テレビが 観る人もないのに昼メロ女優の大熱演を映(うつ)し続けていた。 「もう、行っちゃったらしいよ」 ホラーキューピーがテーブルの上の書き置きをみつけ、ブタ丸に知らせた。 「なにーーーっ!!」 「さばいばる大会に行きます。ボクの分のごはんは、 あとでチンして食べるから、れいぞうこに入れといてね♪ ママへ 馬場ール」 「あいつ〜〜〜、賞金ひとりじめする気だな! 大会で会ったらたたきのめしてやる!!」 強力な戦力を仲間にすることができず、予定の狂ったブタ丸だが、 気をとりなおし次は友達のエジモンの家に行くことにした。 エジモンの家は町の準工業地区(じゅんこうぎょうちく)の、 何てことはない住宅地の真ん中あたりにある。 ブタ丸はありがちな住宅地の、ありがちな古くも新しくもなく、 大きくも小さくもない、とにかくふつーの一軒家の前を 行き過すぎかけて、あわてて駆け戻った。 表札(ひょうさつ)には江寺田(えじた)と書かれている。 「おっといけねー、ここだ、ここだ! あんまり特徴(とくちょう)ない家だから、 いっつもつい行き過ぎちまうぜ」 「おいブタ丸、本当にこんな家に強い奴が住んでいるのか?」 「ああ、家も本人も一見特徴(とくちょう)がなく頼りないが、 あいつはいざとなったらやる男だ。ーーーいろんな意味で、な」 ブタ丸は口に手を当て、二階の窓へ声をかけた。 「モン吉君♪ あそびましょー♪」 エジモンはブタ丸の幼おさなじみらしい。 アナクロな誘(さそ)い文句にすぐに返事が返ってくる。 「あ〜と〜でー」 「……おい、あとでって言われてるぞ」 「大丈夫だ、まかせろ。モン吉君♪ バナナあるからあーそーぼー!」 「…………おい」 引き気味のホラーキューピーをよそに、 二階の窓がスッと開き、茶色いサルが顔をのぞかせた。 エジモンだ。 おもしろかったと思った人は押してね♪ (アルファポリス・ランキングポイントです) →
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