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「ブタ丸トントン・ジュニア版」6ページ 「……エジモン、お前、今まで何見てたの?」 「何ってホバーだよー」 「ああ、そう……でもまあ、そりゃ助かるぜ。でかしたエジモン! で、ホバーはどっちへ行った?」 「んー、スピード速いからわかんなくなっちゃったぁ」 「ああ、そう、そうだよな……、ムリ言ってスマン。…は〜〜っ」 全身にわき上がる妙な疲(つか)れをふりはらい、 ブタ丸達はホバーが飛んでいったと思われる 岩山(いわやま)の方向へ歩きはじめた。 すっかり夜もふけてしまい、 ブタ丸たちは空にかかった満月の光だけを頼りに、 瓦礫(がれき)の道を歩き続ける。 しばらくすると遠くに、わずかばかりの木の生えた まっ黒な林が見えはじめた。 ピエールがまわりを見まわし、先頭のブタ丸に声をかけた。 「おい、ブタ丸、ここ前も通らなかったか?」 「そんなことはないだろう」 しばらく黙々(もくもく)と歩くと、 また前方に黒い林がみえはじめた。 ピェールが騒(さわ)ぎだす。 「おい、絶対ここさっきも通ったぞ!」 「だ、だまれーっ!!」 ブタ丸は真っ赤になって大声をあげた。 逆ギレだ。 冷や汗がピュピュピュピューンとブタ丸の頭上にとびまくっている。 「えーーっ?!、ま、まさかブタ丸ぅ〜〜……」 「おいブタ丸ちゃんと答えろよ」 「ああ、わかったよ、正直に言うぞ …道に迷った」 「まじィ?!」 3人は声をそろえてさけび、ぼう然とたちすくんだ。 どこまで行ってもあたりは同じような岩ばかりで、 道らしいものもなく見通しも悪い。 ブタ丸達はどちらから来たのかさえ、もう分からなくなっていた。 「ブタ丸、これからどうする?」 「オレにいい考えがある」 と、ピエールが言った。 「ホントか?」 ピエールは道ばたの小枝をひろって、棒(ぼう)占いをはじめた。
「………」 パタンと棒は倒れ、左の崖(がけ)の先の、 見るからに危険がいっぱいそうな、 ボコボコガスが吹き上がる 沼を指(さ)し示した。 その先にはいまにも崩(くず)れそうな石橋が一本、 沼を跨(また)いでかかっている。 ひゅうううっと、 風が5人の前を吹き抜けていった。 「ふーざけるなぁぁぁぁぁっ!!」 あまりにまじめなピエールに、ついツッコミそびれていたブタ丸が、 やっと我(われ)にかえって怒鳴(どな)り声をはり上げた。 しかしピエールは涼しい顔をしている。 「まあとにかく進んでみろって」 ピエールの素顔はタイツに覆(おお)われうかがい知れないが、 なにか根拠(こんきょ)になる自信でもあるのか、 どうみてもふざけているようには見えなかった。 ブタ丸は意を決し、ホラーキューピーの肩をポンとたたいた。 「……よし、ホラーキューピー頼んだぞ」 「え?! オレー?」
「とにかく行けーっ!!」「おい、本当に大丈夫なのか?」 「大丈夫! オレの棒占いにまちがい はないはずだ!」 「え?!」 「とにかく行けって!」 「ああ……」 どうにも納得(なっとく)はいかない様子だったが、 とりあえずホラーキューピーは橋を渡りはじめる。 皆は息を飲み、様子を見守った。 「ん?」 その時ブタ丸は、橋の親柱(おやばしら)に付いている ボタンに気がついた。 「なんだ、このボタンは?」 押せとばかりに矢印が下に貼(は)り付けてある。 あからさまに怪しげなボタンだった。 こんなもの普通なら、 仲間が乗っているときには絶対に押しはしないだろう。 「……押しちゃえ!」 ーーーおいいいぃぃぃっ、こらっ!!! ポチッ ーーあ〜〜あ……。 すると石橋中央の上部の崖に 吊(つ)り下げられていた巨大な岩が、 グラグラと揺(ゆ)れはじめた。 「あ……」 ゴンッ!
岩は折り悪く、真下を歩いていた ホラーキューピーの脳天(のうてん)を直撃(ちょくげき)した。 ついでに衝撃(しょうげき)で石橋も真っ二つになり、 ホラーキューピー共々沼へと崩(くず)れ落ちる。 「こんなはずじゃなかったのになー」 ……どんなはずのつもりだったんだ。 「なにいってんだよー! 早く助けなきゃ! オバーQ触手を出してー」 とエジモンが叫ぶ。 「オバー!」 オバーQの触手が沼に伸び、 ホラーキューピーをからめ捕った。 ブタ丸達はホラーキューピーを助けて引き返した。 「いやーまじ危なかったなー、 トラップまであるとはおもわなかったぜ」 ボタン押したのはお前だろう! だが、ブタ丸はとぼけ通すつもりらしい。 「もう油断(ゆだん)するなよ、ホラーキューピー」 「過信(かしん)が油断を招(まね)く。心しろ」 「……おい、お前ら」 ホラーキューピーの全身にムカマークが浮かび上がった。 「えーなにぃ? ホラーくんもバナナ欲しいのー? はい、どーぞ♪」 オバーQにごほうびのバナナをあげていたエジモンは、 バナナを半分ホラーキューピーにも分けてあげた。 「……どうも」 なんだか怒る気力を吸いとられ脱力したホラーキューピーは、 頭のコブをなでながら座り込み、 とりあえずもらったバナナを口に運んだ。 それにしても、あの大岩の直撃(ちょくげき)をくらって コブで済んでいるのだから、つくづくすごい男である。 「これからどうするー?」 「どこにワナがあるかわからない以上、 下手(へた)に動けねーな」 5人は座ったまま考え込んでしまった。 「困っているようですね」 いきなり、5人の頭上から声がした。 「その声は、ウ○コヤロウ!」 声の方を見上げると、切り立った崖の陰から さっきのホバーが現われた。 真っ赤なタキシードの男が、満月を背に腕組みをして立ちあがり、 ブタ丸たちを見おろしている。 例の司会者だ。 「だからぁ、わたしの名前は…… ……まあいいです、死に行くものに 語る必要はありませんね、ククククク。 言い忘れていましたが、 この島は入り組んだ迷路のようになっているんです。 そしてトラップもあちこちに仕掛(しか)けられています。 制限時間近くになると、 自動的にそれらのトラップが発動(はつどう)いたしますのでお急ぎ下さい。 安全地帯はありません。 隠れていてもムダですよ」
「な、なんだと〜〜〜!!」「どうか迷わぬように、 お命をお大事に。ハハハハハ」 「……ピエール、やれ」 ドンッ! 「あ〜〜」 対物(たいぶつ)狙撃用(そげきよう) マクミランМ87Rから発射された 50口径(こうけい)“ぶっ飛ばし弾・怒” がみごとに命中し、 ホバーはどこかへぶっ飛ばされた。 司会者が生きているかどうかはわからない。 この弾は狙撃者(そげきしゃ)の 怒りの度合いで威力(いりょく)が変わるのだ。 「おい、あそこ煙(けむり)が上がってるぞ、行ってみようぜ」 その煙の場所に行くと、 司会者が乗っていたホバーが墜落(ついらく)して燃えていた。 どこかかなり遠くに飛ばされたのか、 司会者の姿は見当たらなかった。 「この機体は司会者のだから、何か積んであるかもしれないぞ」
「オバーQ、荷物を引っ張り出せ」「オバー」 オバーQが触手で まだ燃えていない荷物を、 機体から引きずり出した。 「おい、ナビゲート地図(マップ)を見つけたぞ。 トラップの位置も表示されている」 とピエール。 「よし、これでトラップにひっかからずにすむな。 おいピエール、まずどっち行けばいい?」 「えーとまず……」
ピエールは地図に付いているキーを操作(そうさ)した。 「後ろ、右、前…右、左…」 地図の通りに進んで、 5人はやっと第二ステージに続く 大扉の場所までたどり着いた。 おもしろかったと思った人は押してね♪ (アルファポリス・ランキングポイントです) →
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