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怪談・夢語り2「お友達になって-2」 |
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2. お友達になって 「そんなに恐縮なさらなくてもいいんですよ」 「でも……」 「こんな島に独りぼっちだったから、寂しかったんですよ………。 お客様は……とても嬉しいですよ」 老婆の笑顔に、焦りまくっていた私の気持ちもやっと落ち着いてきた。 しかし……また意識の底に別の“声”が水泡のように浮かび上がった。 そのまま海へ逃げろ いったい、誰の声なの……? 声を無視して、言葉を続ける。 「私も、ずっと一人でさびしかったから………」 「あらそうなの?」 「いえ、今は……小さい頃のことですが」 「あなたも親兄弟と、縁が薄い人なのね」 老婆はまた、優しく微笑みかけてくれた。 ――――とても暖かく 何か懐かしい微笑み 「あの……以前どこかでお会いしませんでしたか?」 「あら、私も何かそんな気がねぇ、してたんですよ」 「本当に? 嬉しいな!」 暖かい幸福感で、胸がいっぱいになった。 漂う 花の 香り 私はその香りが、老婆の手に持つ花束から 漂ってきているのに気がついた。 「綺麗なお花! それにとってもいい香り……」 「お庭にね、花壇があるの。行ってみる?」 「はい!」 北側の右手の勝手口を出ると、そこは小さなお花畑になっていた。 「お土産に摘んでさしあげるわね……」 花に囲まれ、花壇に屈みこむ老婆の姿は 絵のように優しく 切ないほど懐かしかった。 欲しくても手に入らなかった やさしい「家族」――― 言っちゃだめだ! 「お婆ちゃん、私」 言っちゃだめだ! うるさいなぁ…… 「……私お婆ちゃんと、ずっと仲良くしたい」 「まあ、嬉しいわねぇ」 言っちゃダメだ!!言っちゃダメだ!!言っちゃダメだ!!言っちゃダメだ!!言っちゃダメだ!! 誰なの、うるさい! ただの夢じゃない!
声に逆らうように、
私はその言葉を口にしてしまった。
「お友達になって
「―――ええ、いいわよ」ください……」 老婆は花の中でまた優しく微笑んだ――― 私の胸が温かいものに満たされていく……
……あれ?
いきなり大気の密度が変わったような気がした。
……う゛あ゛
老婆は苦しげにうずくまった。「どうしたの! お婆ちゃん?!」
辺りの風景が
「おばあちゃん…おばあちゃん!」ゆらりと形を変える――― 「どうしたの? おばあちゃん、大丈夫?」
けひっ
苦しそうな老婆の背を後ろから必死に撫でた。 |
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素材提供/thank you! 暗黒工房 創天 写真・アート/溝口タカオ きまぐれ堂 © sec/茜 梨生 All rights reserved. |