シナリオ「ジャンク!」2


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    キャラクター紹介  No.1:J(ジェイ)
ジェネシス社の「オピオン・プロジェクト」によって開発された四体のロボットのうちの一体。ジュニアボディ。 バイオ・ナノプロセス技術 によって自己組織化させたクォータ・メタル・ナノマシンで全身が構成されている。 完全変形能力、自己修復能力を有する。(今回のシナリオ「ジャンク!」ではこの設定は一部変更されています。)



2.パチモンですかい!

○匠家・半地下工房(深夜)

モニターを睨みながら必死にキーボードに指を走らせているマサト。
机の上には市販のメディアにラベルシールを張り付けただけの怪し気なソフトのパッケージケースが、何種類か放り出されている。「君にも出来るガード破り」などのタイトルが付いている。
床には工具とJ(ジェイ)に巻き付けられていたバラバラになった絨毯、鎖などが散乱している。
Jの胸部からは何本ものコードが伸び、マサトの机の上のあやしげな箱型の機械「ハッキン君4」につながっている。
暇そうに椅子の上で胡座をかいているJ(ジェイ)。頭上にロボ猫が乗っている。
博正は作業台で修理の続きをしている。
   × × ×
Jの腹部から合成音のナビゲーションボイスが響く。

ナビゲーションボイス

「…OKコマンドボイス認識!…音声コマンド用声紋登録終了デス…weeeen…マスターチェンジ完了シマシタ…zi.zizi…終了シテクダサイ」

マサト

「フーッ、意外にセキュリティ厳重だったなー。アクセスコードも何も分からないから、大変だったぜ……」

Jのコードを外してやるマサト。
ウィーンと回転しながら格納されるJの胸部のインターフェイス。パタンと開口部が閉じると跡はほとんど目立たない。
やっと自由になり背伸びをするJ(ジェイ)。

マサト

「よし! これでオレとお前はパートナーだぜ! 仲良くやろうな相棒!」

J(ジェイ)

「サンキューマサト! あ、オレの名前はJB・J-6。J(ジェイ)ってよんでくれィ! ヨ・ロ・シ・ク!」

パンッと手を握りあうマサトとJ(ジェイ)。
不審そうな表情を浮かべ、作業台から顔を上げる博正。

博正

「……JB・J-6? 聞いた事ねーシリアルナンバーだな。おい、お前(ジェイに手招きしながら)ちょっとこっち来い」

博正J(ジェイ)の人工毛髪の付け根を探る。
髪をいじられながら、横目で作業台の上の舌を出した犬型ロボットを気味悪気に見ているJ(ジェイ)。

博正

「ふ〜〜む、商標も何も付いてねーな。大体こいつ見たこともないデザインしてるし。うーん……こりゃあ……こいつ、パチモンだな」

マサト

「アハハハハ! やっぱ、パチモンかァー、だと思った! JBシリーズの海賊版だね」

J(ジェイ)血相を変えムカマークだらけになり、作業台に飛び乗る。

J(ジェイ)

「い〜〜かげんにしろよォお前ら、コラ!!! さっきからキロ百円だの、パチモンだの、いーたいほーだい、いーやがって!!!」

博正

「何だァ、その態度は! しつけがなってねーロボットだな」

J(ジェイ)

「ウッセー、このノーミソ筋肉ゴリラ男!」

博正

「何だとォ! このクソガキロボット!!」

J(ジェイ)

「変態中年!!! チカンオヤジ!!! ウンコたれっ!!」

博正

「〜〜マサト! やっぱりこのクソガキ返品して来いっ!」

マサト

「え〜〜っ、ヤダよ〜〜っ! ご免なさーい! ほらJ(ジェイ)、お前も謝れ!」

しかし頭を下げず、猫のように唸っているJ(ジェイ)の襟首をつかみ逃げ出すマサト。
Jの頭には騒動にもメゲずロボ猫が乗ったままだ。

マサト

「おっやすみなさーいっ!」

博正

「こらっ! マサト…ったく、しょーがねーな。危険な不良品だったらヤバイだろーが……」

真面目な顔になり鼻の横を掻く博正。

博正

「しゃーねーなぁ、めんどくせーが、調べてみるか…」

 

○新星学園小学部・校門前(翌日早朝)

緑の多い郊外の丘陵部に建つ広々したキャンバスの俯瞰。校内のあちこちにライドアーマーや重機が並べて置かれている。
正門前広場に、運転車両に広いキャビンスペースの付いたセミトレーラーが停まっている。
トレーラーの前で、チームの子供達4人とFロボ4体、顧問の山口聖子先生(26)がマサトを待っている。
坂道を息を切らせてJと一緒に駆け登ってくるマサト。

聖子先生

「マサト、遅いぞ!」

J(ジェイ)

「お、もうみんな集まってるぞ! 急げよマサト」

大きなリュックを背負って息切れしているマサトを置いて先に行くJ。
ヒラリ大きくジャンプし、空中で前転して皆の前にスタンと立つJ。

J(ジェイ)

「オーッス、みんな! オレJ! ヨロシクなー!」

聖子先生

「おや新顔だねおちびさん。マサトのパートナーロボかい? アタシは顧問の山口聖子、こちらこそよろしく! なかなか良い動きしてるな!」

長身を折りJと握手する先生。
サラリと長い黒髪が広がる。

J(ジェイ)

「おー、ナイスボディ!」

やっと追い付いたマサト、肩で息をしている。
ウィンクしながらにんまりとJに笑いかけ、マサトに視線を移す聖子先生。

聖子先生

「マサト、この子選手登録するならパソコンにJRCのユーザー登録データーと機体情報送っといてくれよ」

マサト

「あ、はーい」

チームメイトの大人しそうな美少女、榊ありさ(11)がマサトに駆け寄って来る。
背が高くストリート系の服装をした、嵯峨野涼(男・12)
coolな知性派風の、キム青葉(男・12)
一際小柄な少年、甲斐カイト(男・11)がそれに続く。

ありさ

「おはよう、マサト君。ついに買ってもらえたの、Fロボ! 私の情報、役に立ったのかな?」

マサト

「うん、ありがとうありさちゃん! でもお金オヤジに全額使われちゃってたから、結局自分で買ったんだけどね、ハハハ」

ありさ

「……?」

 

○走るセミトレーラー・車内

運転席でうたた寝している聖子先生。車はオートドライブになっている。
4×3シートの広いキャビンスペースに生徒達とFロボ達が座っている。
後ろの座席に涼が行儀悪く足を前席に乗せている。
最前列でハンディパソコンに何か打ち込んでいるマサト。
Jの隣にはフリルたっぷりの絹のブラウスに紫のサッシュを締めた小デブ体形のロボットが座っている。ありさのFロボルイだ。
ルイが気取ったポーズでJに話し掛けている。

ルイ(ありさのFロボ)

「では、メモリーとかは全部消去した後、わざわざ再起動してから簀巻きにして捨てられたんですか……ずいぶん念の入ったいやがらせですねェ」

カイト

「前のパートナーはひどいパートナーだったんだね、かわいそうに……。でも、マサト君はとっても優しいし、ロボット好きだから安心してね!」

「ちーっと、マッド入ってるけどな」

マサト

「おい、涼! 何だよそれー」

「ハハハ。あ、マサト、悪りィけど着いたらすぐディーンのバランス・セッティング見てくんねーか? 足廻りチューンナップしたら変になっちまってさー」

ディーン(涼のFロボ)

「お願いします」

マサト

「OK! な、青葉、ちょっと……」

涼に返事をした後急に小声になり、隣に座っているキム青葉に話しかけるマサト。

青葉

「何?」

マサトに促され、理知的な眉をひそめマサトのパソコンのモニターを覗き込む青葉。

マサト

「Jの機体情報これで変じゃないかな? マニュアル無いからでっち上げたんだけど」

青葉

「……ジェネシスのJBシリーズのカスタムモデルって事にしたのか。苦しいど、ちょっと見ならバレないと思う。でもJRCにユーザー登録の照会されたら一発でバレるぞ。先にJからデーターロードして、ちゃんと機体登録した方がいいんじゃないか?」

マサト

「それが妙にガード固くてさー、パスワード破ったのに機体情報だけロードできないんだよ。青葉、あとでやってみてくんない?」

青葉

「いいけど――お前が手こずるって、何だよそれ? 普通の市販モデルじゃない のか、あいつ?」

Jに目をやる青葉。
背もたれに手をかけ、後部座席のカイトの美しいFロボ紫音をぽ〜っとして見つめているJ。笑い返してもらい尻尾(仮想)を振りたくっていると、後頭部をルイのハリ扇ではたかれる。

J(ジェイ)

「痛ってーなー、何すンだよルイ(ハリ扇に気付き)どっから出したんだ、それ?」

ルイの肩がパシュッと開く。
そこにスッとハリ扇を収納するルイ。

ルイ

「フフ…僕のボディには身につけた千の芸のためのネタが仕込んであるんです。おかげでほんの少ーし過積載になってふくよかになってしまいましたが……。そんな事より、見えてきましたよ!」

画面外を指すルイの指先に(O・L)して窓の外の平野部に広がるスズカ・ロボティック・サーキット・ドームの巨大な全景へ。

J(ジェイ)

「ワー! スッゲー!!」


           ━━ ストーリー2 終 ━━